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頭痛
​内科の病気

頭痛

頭痛で悩んでいる人は日本人の約1割もいると言われています。 頭痛だけで、来院するという方は少なく、大半の方は市販の「頭痛薬」ですませているようです。頭痛の多くは命に危険のないものが多いですが、重要な病気が潜んでいる場合もあります。それは、脳障害につながることもありますから、気を付けましょう。

近年、片頭痛に効果的な薬のトリプタンが認可され、かなりの効果があります。どんな種類の頭痛であるのか知り、適切な治療を受けることによって、安全で快適な生活を送ることができます。自己判断をせず、相談してください。

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頭痛の種類

 

ひと口に頭痛といっても、いくつかの種類があり、頭痛には「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。

 

一次性頭痛

普段感じる頭痛の多くは、他に原因となる病気のない「一次性頭痛」です。よく頭痛に見舞われる人だったら、ストレスや生活習慣、姿勢などがきっかけで起こった際に「ああ、前と同じような頭痛だな」という感覚があるかもしれません。

 

二次性頭痛

一方、病気などの原因によって引き起こされる頭痛は「二次性頭痛」といいます。特に見逃すと危険性が高い病気、また医師のもとできちんと治療を受ける必要がある病気としては、くも膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下出血、高血圧性脳症、副鼻腔炎、うつ病などがあります。

慢性的に起こる頭痛(一次性頭痛)の主なタイプと対策

原因となる病気などがなく、「同じような痛み方をする頭痛をしょっちゅう経験している」という場合は、慢性的な一次性頭痛が考えられます。

 

一次性頭痛には主に、①片頭痛、②緊張型頭痛、③三叉神経・自律神経性頭痛の3つのタイプがあり、それぞれ頭痛を誘発する要因や対処法が異なります。自分の頭痛はどのタイプにあたるのかを把握してそれに合った対策をとることが大切です。

片頭痛(血管性頭痛)~ズキズキする、動かしたときに痛む

片頭痛は、頭の片側(または両側)が脈打つようにズキズキと痛む頭痛です。吐き気、嘔吐を伴うことがあり、光・音に敏感になるなどの症状があります。痛みは強く、4~72時間ほど持続し、体を動かしたり入浴したりすると悪化するのが特徴です。原因はまだはっきりしていませんが、何らかの刺激が三叉神経(脳から直接出ている神経)の刺激につながり、さらに連鎖反応的に血管の拡張や炎症が発生していくためと考えられています。

片頭痛が起こる前には、目の前がチカチカする、目が回るなどの前兆が現れることがあります。20~40歳代の女性に多くみられ、月経時やその前後に発症するケースも多くみられます。妊娠中は、一時的に片頭痛が軽減される人が多数いますが、半数の人は出産後1ヵ月程度で再発します。

最近は医療用成分でよく効く薬がありますので、専門医の診療を受けましょう。ただし、くも膜下出血などの重大な疾患を片頭痛と間違える危険性があるので慎重な判断が必要です。

この頭痛を引き起こす原因としては次のようなことが考えられます。

  • ストレス・精神的緊張(解放されたときに起こりやすい)

  • 疲れ

  • 空腹

  • アルコールの摂取

  • 寝不足(寝過ぎ)

  • 月経

  • 人ごみや騒音などの物理的な刺激

  • 天候の変化

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片頭痛の予防法

  1. 頭痛日と環境をチェック
    たとえば人ごみや睡眠不足など、どのような環境が重なったときに片頭痛が起きるかを記録しておくことで、原因となる環境を特定し、該当する時期にそうした環境を避けるようにします。
     

  2. 規則正しく睡眠をとる
    寝不足、寝過ぎ、疲労、空腹など体のストレスは片頭痛の引き金になるので避けましょう。とくに週末の寝だめや二度寝は、空腹と寝過ぎが重なって片頭痛を重くするので要注意です。
     

  3. 頭痛の誘発食品を控える
     

  4. チョコレート、チーズ、ハム※、ヨーグルト、赤ワインなど片頭痛を誘発するといわれる食品の摂り過ぎには注意しましょう。(※亜硝酸塩が関与)

片頭痛の対処法

  1. 冷やすのは○、温めるのは×
    冷たいタオルなどを痛む部位に当てると、血管が収縮して痛みの軽減に役立ちます。一方、入浴やマッサージなどは血管を拡張させるので痛みが増すことになり逆効果に。
     

  2. 静かな暗い場所で休む
    頭痛の最中に体を動かすと痛みが増し、光や騒音でも痛みはさらに増してしまいます。できるだけ、静かな暗い場所で横になりましょう。
     

  3. カフェインを適量
    コーヒー、紅茶、日本茶に含まれるカフェインは血管を収縮する作用があり、痛みの早期に飲むと痛みが軽減。ただ、連日の過剰摂取は逆に頭痛を誘発するので注意して。

片頭痛の治療薬

薬物療法には、発作治療薬と予防療法があります。頭痛発作が起こった時に、できるだけ早く症状を沈める薬のことを発作治療薬といい、以下が代表的です。

非ステロイド性抗炎症薬

軽症~中等度の片頭痛の第1選択薬になります。

市販薬の「ロキソニン®」や「カロナール®」もこの仲間です。これらは、「アラキドン酸カスケード」といって炎症が起こるメカニズムの一部を遮断することで痛みが起こらなくします。発症早期の服用が効果的です。

『片頭痛のガイドライン​』でも安全で安価であり、効果も高いことから「グレードA(強く推奨する)」に分類されています。ただし、効果としては次に述べるトリプタン製剤よりも限定的です。

また「頭痛がひどいから」という理由で、これらの薬物を乱用すると「薬物乱用頭痛」といって薬物の内服が原因で頭痛になったり、胃や腎臓・肝臓を悪化させてしまう可能性があります。

そのため、「市販薬でも効かないような片頭痛」の方には、次のトリプタン製剤を使うことになります。

エルゴタミン製剤

エルゴタミン製剤もトリプタン同様、血管を収縮させて片頭痛発作を抑えます。トリプタンができる以前は、片頭痛治療薬の中心的な薬として位置づけられていました。通常作用を強くするためカフェインと一緒に服用します。

片頭痛のガイドラインでは「グレードB(推奨する)」に分類されています。トリプタン製剤と同時に服用できないこと、副作用として吐き気があることなどから、今は使用は限定的になっています。

トリプタン製剤

トリプタン製剤は、片頭痛のメカニズムである血管の拡張を抑え、神経終末からの神経ペプチドの放出抑制・三叉神経核における痛みを伝える経路を抑えることで、片頭痛発作をおさえます。

難しいことをかきましたが、薬物動態としてはまさに「片頭痛を抑える薬」に特化した薬といえるでしょう。

もちろん片頭痛のガイドラインでも「グレードA(強く推奨する)」に分類されています。ただし、市販薬よりも高価なのがデメリットです。

トリプタン製剤には様々な形態があります。(口の中で溶けるものや注射薬・点鼻薬など)個々の患者さんによって、どのトリプタン製剤があっているかは大きく異なりますので、一緒に相談しながら適切な薬を探していきましょう。

漢方薬

片頭痛の治療薬として漢方薬が使用されることもあります。最も有名なものは「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」ですが、非常に味が苦いので人を選ぶでしょう。

他「桂枝人参湯(けいしにんじんとう)」「葛根湯(かっこんとう)」「釣藤散(ちょうとうさん)」などがあげられます。

発作の頻度も下げるのが特徴です。それぞれの証に合わせて処方しますので、漢方を希望される場合は相談してください。

他にも、吐き気に対して吐き気止めを併用したり、吐き気止めを注射することで頭痛発作が軽減するという報告があります。

片頭痛の予防薬はあるのか

 

片頭痛の予防薬とは、発作治療約のみでは日常生活の支障が残る時に、頭痛の頻度・程度・持続時間を減らすために行われる治療法です。

  • しばらく使わないと効果を発揮しない

  • 頭痛を「予防する」ため、発作がおこった時は「発作治療薬」と併用する

 がポイントになります。

 

本来不整脈の治療に使われる「β遮断薬(インデラル®)」の他、「降圧薬(ブロプレス®)」や「抗てんかん薬(デパケン®)、「抗うつ薬(トリプタノール®)」などが予防療法の代表的な薬です。

頭痛発作の予防に使用していることを理解いただいた上で、どの薬があっているかを患者さんの状態に合わせて処方していきます。

また、近年新しいタイプの片頭痛予防薬が出てきています。(エムガルティやアジョビ・アイモビーグなど)片頭痛発作時の血管拡張や炎症反応の直接の原因とされている「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」という物質を働きを抑える「ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤」と呼ばれるものです。

これらは月1回~3か月に1回の注射タイプですが、1本あたり4万円以上するので、保険を使ったとしても月1万円以上になります。これらの薬を希望される場合は、適切な医療機関に紹介いたします。

あなたの頭痛は片頭痛?

 

下記の4項目のうち2項目以上で「ときどき」又は「半分以上」と回答した場合痛は、片頭痛の可能性が高いです。

  1. 歩行や階段の昇降など日常的な動作によって頭痛がひどくなることや、あるいは動くよりじっとしている方が楽だったことはどれくらいありましたか?
    <□なかった □まれ □ときどき □半分以上>
     

  2. 頭痛に伴って吐き気がしたり又は胃がムカムカすることがどのくらいありましたか? 
    <□なかった □まれ □ときどき □半分以上>
     

  3. 頭痛に伴ってふだんは気にならない程度の光がまぶしく感じることがどのくらいありましたか?
    <□なかった □まれ □ときどき □半分以上>
     

  4. 頭痛に伴って臭いが嫌だと感じることがどれくらいありましたか?
    <□なかった □まれ □ときどき □半分以上>

緊張型頭痛(筋肉収縮性頭痛)~ジワジワ締めつけられる感じがする

一次性頭痛のなかで最も多いとされるのが緊張型頭痛です。後頭部、こめかみ、額を中心に頭重感や圧迫感または締めつけられるような痛みがジワジワと発生し、しばらく続きます。光か音のどちらかに過敏になる人もいますが、片頭痛のように吐き気や嘔吐が発生することはなく、体を動かした際に痛みが悪化することもありません。痛みの強さは軽度~中程度で、日常生活に支障が出ることは少ないようです。

主な原因は、頭、首、肩の筋肉の緊張によって血行が悪くなることとされていますが、ストレスなどの神経的な緊張が引き金となることもあると考えられています。

なお、緊張型頭痛のある人が片頭痛を起こす混合型もあります。

この頭痛を引き起こす原因としては次のようなことが考えられます。

  • ストレス(身体的・精神的)

  • 顎関節症(あごの関節の異常)

  • 長時間同じ姿勢でいる(うつむき姿勢など)

  • 運動不足

  • 眼精疲労

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両肩を上げてストンと落とす
両肩をキュッと上げて、ストンと落とします。力を入れすぎず、自然な状態で10~20回程度行います。

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首を左右に倒す
左手を頭にのせて、右肩の力を抜いて左側へゆっくりと首を倒します。反対側も同様に。左右とも5~10回程度ずつ行います。

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イスに座って前屈
イスに浅く腰をかけ、脚を前に伸ばします。両肩の力を抜いてリラックスしながら、首を前にゆっくりと倒します。5~10回程度行って。

3. 枕の高さを調整

高すぎる枕、柔らかい枕は首の負担になり、知らず知らずのうちに筋肉を緊張させることに。高すぎず、柔らかすぎない自分に合った枕を選ぶことで予防ができます。

緊張型頭痛の予防法

 

1. 長時間同じ姿勢をとらない

姿勢を正して、同じ姿勢で長時間の作業をしないようにしましょう。

 

2. 肩、首の血行アップ

気づいたときには以下のような簡単なストレッチをこまめに行い、首や肩の筋肉の緊張をほぐしましょう。

緊張型頭痛の対処法

 

1. 温めて、こりをほぐす

マッサージ、蒸しタオル、半身浴などで温めて、首、肩の筋肉のこりを取り、血行をよくしましょう。先にご紹介したストレッチも効果的です。

2. 気分転換をする

頭痛が始まったら、心身にストレスを加えていることを中止し、例えばその場所から離れるなどして、早めに気分転換をしましょう。

群発頭痛、三叉神経・自律神経性頭痛
 ~目の奥にガーンという衝撃が、ある期間、毎日起こる

頭の片側に頭痛が現れ、それと同じ側の目や鼻、耳などに異常が現れる頭痛を「三叉神経・自律神経性頭痛」といいます。群発頭痛は左右どちらかの目の周囲からこめかみのあたり(前頭部~側頭部)にかけての激しい痛みと、痛むほうの目の充血、涙、鼻水、鼻づまり、まぶたの下垂などといった症状を伴うのが特徴で、痛み発作は1日に2~8回繰り返され、数日~3ヵ月ほどの間、集中して続きます(群発期)。頭痛が起こらない時期を経て、また群発期がやってくる場合(反復性群発頭痛)や、群発期が年中続く場合(慢性群発頭痛)もあります。

発症年齢は20~40歳で、男性に多い傾向がありましたが、近年、男女差は徐々に減少する傾向にあります。痛みが起こるメカニズムとしては、目の奥の動脈の拡張が原因でうっ血や炎症が起こり頭痛につながるという説、眼や上顎、下顎に向かって走る三叉神経の活動が過剰に高まることによって発生するという説などが考えられています。

睡眠中に起こることが多く、激痛で目が覚めることがあります。

この頭痛を引き起こす原因としては次のようなことが考えられます。

  • 飲酒

  • 喫煙

  • 血管拡張剤の服用

  • 気圧の変化