医療_デスク-(3)_edited.jpg

インフルエンザ
​内科の病気

インフルエンザ

インフルエンザとは

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症です。わが国のインフルエンザの発生は、毎年11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1~3月頃に患者数が増加し、4~5月にかけて減少していきます。 インフルエンザは通常のかぜと比べ、症状が重く、全身症状も顕著に現れます。そのため、高齢者や呼吸器系や心臓に持病を抱えている方がかかると肺炎を併発したり、持病を悪化させたりして重篤になり、最悪の場合は死に至ることもあります。 幼児の場合は、脳炎や脳症を併発することがあります。
できるだけインフルエンザにかからない方法、症状を軽く抑える方法、インフルエンザにかかってしまった時の対処方法を知っておくことは、とても大切です。

22123075_s.jpg
インフルエンザ ウイルスについて

インフルエンザウイルスは大きく分けて、A型・B型・C型の3種類があります。世界で流行を起こすのは、主にA型とB型です。A型ウイルスとB型ウイルスはウイルスの表面の構造が異なっており、症状も違うので気をつけましょう。B型に感染した後にA型にも感染してしまうということもあります。インフルエンザの潜伏期は1-3日。感染者の咳やくしゃみと共に飛散したウイルスを吸い込むとウイルスは約20分で細胞内に取り込まれます。

インフルエンザウイルスは低温、低湿度を好むので、部屋を暖め、湿度をあげることは効果があります。部屋の温度が30度ではウイルスの感染力は2日後に1/10になるが、25度では1/2 。湿度50%ではウィルスは約3%の生存率しかないといわれています。くしゃみなどで飛散したウイルスは、空気中には2-3時間生きています。ものに付着したウイルスは1時間程度生き延びるので、インフルエンザの患者が触ったものにすぐに触るのは危険です。インフルエンザ患者の感染力は通常5-7日でなくなります。流行を最小限に抑えるためにも、一週間は安静にしておくことが大切です。

インフルエンザの症状(風邪との違い)

インフルエンザの発症は他の風邪と違って突然、悪寒と38-40度の熱が出て、頭痛、腰痛、関節や筋肉の痛み、全身倦怠感、下痢等の症状が強く、普通の風邪の場合は先に出る喉の痛み、咳、鼻水などの症状はインフルエンザでは熱や悪寒の後から表れることが多いです。ただ、個人差がありますので、インフルエンザの流行時、12月から3月頃までの間は、急な発熱だけでも疑った方がいいでしょう。特に、幼児、高齢者、呼吸器系や心臓に持病を抱えている方は、すぐに医療機関で診療を受けてください。

インフルエンザの検査と診断 


インフルエンザが流行する冬季には、インフルエンザ以外の感染症も流行します。的確な診療のためには、インフルエンザであるかの検査が必要です。インフルエンザの検査方法は、2001年に登場した「迅速診断キット」が主流です。綿棒でのどや鼻の粘膜をこすり、組織や分泌物からウイルスを検出する方法で、キットさえあれば特別な医療器具や設備を必要としない簡便さが特徴でもあります。
ただし、発熱直後に検査をすると、のどや鼻の粘膜に付着したインフルエンザウイルスの量が少なく、実際にはインフルエンザにかかっている場合であっても陰性と判断される可能性があります。強い悪寒を感じる場合や体温上昇が激しすぎる場合、そのほか、意識障害などの症状がなければ、最初に症状を感じてから早くても12時間、できれば24時間以上待ってから検査を受けるようにしましょう。

インフルエンザの治療

Ⅰ 抗ウイルス薬


抗ウイルス薬は体内でインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬で、病気の期間と症状を軽減する効果あります。抗ウイルス薬は大きく分けて、飲み薬・吸入薬・点滴の3種類があります。飲み薬はタミフル・ゾフルーザ、吸入薬はリレンザ・イナビル、点滴はラピアクタという薬です。タミフル・ゾフルーザ・リレンザ・イナビル・ラピアクタといった抗インフルエンザ薬は「ノイラミニダーゼ阻害薬」といわれます。ノイラミニダーゼ阻害薬は、インフルエンザウイルスが増殖するために必要なノイラミニダーゼという酵素を阻害する薬です。インフルエンザウイルスは細胞内に侵入した後、新たなウイルスを作り細胞外へ放出することで増殖します。新しいインフルエンザウイルスが細胞表面から放出される際にはノイラミニダーゼという酵素が必要なのですが、ノイラミニダーゼを阻害することで、新たに作られたインフルエンザウイルスが細胞外に放出されるのを阻害しウイルスの増殖を抑制します。

オセルタミビルリン酸塩(タミフル)

タミフルという薬の名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか? 全世界で使用されている抗インフルエンザ薬です。A型・B型両方のインフルエンザの増殖を防ぐといわれており、37.5kg以下の幼小児にも使用可能な飲み薬です。副作用として下痢、腹痛、吐き気などが報告されています。

ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(イナビル)

A型・B型インフルエンザに対する治療薬です。この薬は長時間作用型なので、1回使用するだけでいいというのが特徴の吸入薬です。喘息など呼吸器に病気のある人は、慎重に使用する必要がありますので、医師に相談するようにしましょう。副作用として、下痢、頭痛、吐き気、蕁麻疹などが報告されています。

バロキサビル(ゾフルーザ)

ゾフルーザは2018年に登場した抗インフルエンザ薬で、1回服用するだけでいいという今までにない飲み薬です。これまでの抗インフルエンザ薬はノイラミニダーゼ阻害薬でしたが、ゾフルーザはエンドヌクレアーゼと呼ばれる別の作用機序で効果を発揮します。インフルエンザウイルスを消失させる速度が速いといわれており、周囲の人への感染を減らせるのではないかとの期待がされています。

ザナミビル水和物(リレンザ)

リレンザはA型・B型両方に有効といわれている吸入薬です。粉薬を直接気道に届けることで、ウイルスの増殖を抑えることが期待できます。喘息など呼吸器に病気のある人は、気道に対する刺激になり喘息発作を誘発する可能性があるため注意が必要です。副作用として下痢、発疹、吐き気、蕁麻疹などが報告されています。

ペラミビル(ラピアクタ)

ラピアクタはインフルエンザウイルスの増殖抑制効果が期待できる点滴です。吸入や内服ができない場合に選択肢となります。副作用として、下痢、吐き気、嘔吐などが報告されています。

Ⅱ 一般療法・対処療法


出来るだけ安静にし、十分な睡眠が必要です。また、家族の方への感染を防ぐために、室内の湿度を50~60%に保つように心がけてくだ さい。また、水分を十分に補ってあげることで脱水症状を予防しましょう。
発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などに解熱鎮痛剤、鼻水、くしゃみに抗ヒスタミン剤、咳、痰に鎮去痰剤が用いられます。しかし、これらの症状は身体からインフルエンザウイルスを追い出し治そうとする、身体の自然な反応ですので、薬で無理に抑えてしまうとかえって治りが遅くなってしまうこともあります。小児の場合は解熱鎮痛剤を使用するとまれに、ライ症候群という合併症を併発することもあります。自己判断で薬は服用せず、医師の指示に従ってください。
 

 

インフルエンザの予防

インフルエンザウイルスは、寒くて乾燥した空気の中で感染力を持ち、又冬場の空気は気道粘膜の抵抗力を弱めるためインフルエンザは冬に流行します。インフルエンザの予防は、流行前に予防接種を受けることです。日常生活でのちょっとした注意の予防効果もあなどれません。

インフルエンザ予防接種

インフルエンザの予防接種を受けたら絶対にかからないというわけではありません。インフルエンザの発病阻止率は、成人では70%~90%ぐらい、小児での場合はこれより低いとされていますが、予防接種は一番効果のある予防法です。23年度より小児の接種量が欧米と同じに増量され、より有効的になりました。

インフルエンザ予防接種の詳細はこちらのページをお読みください。

+DSC_1056-500.jpg
日常生活の注意

 

①流行期には人ごみを避ける

外出時はなるべくマスクをつけるようにしましょう。マスクを着用することによって、他人からの感染を防ぎ、また他人への感染も防ぐ効果があります。また、咽や鼻の中の湿度を保つことができます。

 

②外出後は、うがい、手洗いをする

うがい、手洗いは効果があります。できれば洗顔もしましょう。

 

③室内の湿度を保つ

インフルエンザウイルスは乾燥した状態を好みます。加湿器などを使って部屋の湿度を保ちましょう。濡れタオルを干しておくのも効果があります。室内の換気にも注意してください。

 

④体力を保つ

バランスのとれた食事、十分な睡眠をとりましょう。